約七ヶ月振りに岡本氏のコンサートに行って来ました。しかも新進気鋭のカウンターテナー中嶋氏との共演であり、そのワクワク感は募るばかり。
12/21 向島の菩提寺(妻方)へ墓参後、ちょっと寄り道、浅草寺をふらり参拝し、陽もかたむく頃、いざ地下鉄で銀座へと....
銀座王子ホール
銀座の一等地にある王子ホールは、王子製紙製紙本社の2階に併設されたコンサートホールです。客席数は315席と小振りですが、サロン的な雰囲気で根強いファンがいるそうです。
ステージを見て最初に気が付いたのが、右側の椅子がかなり低くなっていること。意図的に脚を切り、ギタリストや古楽奏者に提供しているそうです。
《武満徹 SONGS》とは
武満徹は日本と西洋の音楽を融合させた20世紀を代表する世界的作曲家で、没後四半世紀を経た今でもその作品は世界各国で演奏され続けています。
中嶋さんによると「武満の曲は緻密でドラマチックで重厚な曲が多いが、うたに限っては、とてもシンプルでストレートにこころに訴えかける」(大意)と仰っていました。そして今回、作曲した”うた”と武満が編曲した”ギター曲”を【SONGS】と銘打ちCDにコンプリートし、来年1月発売を記念して3回のコンサートを開くことになったそうです。(今回は第2回目に当たります)
コンサートの演奏曲目
<第一部> 恋の歌 8曲 ギターソロ 2曲
<第二部>心情の歌 10曲 ギターソロ 2曲
<アンコール>1曲「うたうだけ」※中嶋氏が最も好きな曲
演奏を聞いて思ったこと
最近、岡本氏はフルートやバイオリンとの共演に積極的ですが、今回、声楽家との共演はさらに岡本氏の演奏や音楽性の幅を広げたなと思います。
カウンターテナー中嶋氏とはウイーン留学時代に知り合い、中島氏の誘いで2年前から共演に取り組み始め、1年前の冬にこのCD録音でその想い・熱意が結実しました。(※速報:中嶋氏は12/28「令和4年度文化庁芸術祭・新人賞」受賞決定)
今回《SONGS》を演奏・伴奏するにあたり、岡本氏は素晴らしい編曲をしています。武満音楽の本質である「音の響かせ方、重ね方」に相当配慮し、その世界感を生き生きと醸造しています。
さまざまな歌詞に込められた思いが、中嶋氏の美しく澄んだ静謐な歌声を通じて聴衆にストレートに伝わったのは、クラシックギターの伴奏が、曲ごとの個性・音の響きを意識し、テンポ・節回しを先導したからだと思います。
最後に
余韻をたっぷりと残したまま、あっと言う間にコンサートを終わりました。
先行発売したCDにお二人のサインを頂き、さらには妻含め4人で記念撮影にも応じて頂き、最高のクリスマスプレゼントした。
しばらくは共演の予定はないとのことですが、ぜひ再共演して欲しいですね。
では最後に、2020/7月に共演した時の様子をご紹介します。(岡本氏のyoutubeサイトから)