
将来を嘱望されるクラシックギター界の新星として、2020年このブログで紹介した人物が岡本拓也氏です。その後、機会あるごとに生演奏を聴きその成長過程を楽しんできました。今回のコンサートは東京文化会館で4回目の企画になりますが、ワクワク感を胸に会場に向かいました。2025年6月7日のことです。
東京文化会館(小ホール)

開館して64年が経つクラシック音楽の殿堂であり、オペラ・オーケストラを中心に様々な名演奏が披露されて来ました。クラシックギター界ではあのセゴビアも登場しました。ただし、来年から大規模改修工事に入り3年間は休館になります。したがって、ここでのコンサートは今回が最後になるのでしょうか?
会場に入ると、ものすごい観客の数とその熱気で圧倒されました。老若男女そのファン層が広がっていることを実感するとともに、各情報配信ツールをとても上手く活用しているなと感心しました。いわゆる”推し活”らしきファンも多かったですね!
演奏全般について
プログラム内容について
- 全曲が3枚のCDの中から選ばれたもの
- 第1部 バロックからロマン派(19世紀ギター使用:立ち演奏) そして近代南米音楽
- 第2部 近代南米音楽 現代アメリカ音楽 全てにパーカッションが加わる
- アンコール アサド「思い出」ほか1曲
<演奏詳細>


コンサートを聴いて思い感じたこと
・演出が凝っていましたね。
①開演するとホール全体が暗闇に包まれ、その中から優しいギターの音色だけが浮かび上がって来ました。徐々に明るくなるとそこには19世紀ギターを立ち演奏する岡本氏の輪郭が現れて来ました。 ”つかみ”はとてもうまくいったと思います。
②第2部はギター独奏曲にパーカッションが加わり、立体的で複合的な音楽に進化した気がします。(波の音、風の音、小鳥のさえずり等もパーカッションで表現)

③今年4月からクラシック音楽のアーテイスト・マネジメント、コンサートやプロジェクトの企画、主催、提供を行っている「AMATI(アマティ)」の所属アーチストになったことが、今回の演出に関係があるかもしれませんね!
・今回の演奏会テーマ「軌跡、そしてその先へ」の狙いがよく分かりました。
<軌跡>とは制作した3枚のCDに収まった曲など、発信して来た曲たちのこと。
<その先へ>とは他楽器とのコラボレーションを進めていくこと、でしょうか。
・音楽の方向性がより明確になった気がします。
過去の演奏会を聴いた時は「知性的な気品」と「色彩と大胆さ」を感じたと記事に書きましたが、今回はさらに「音楽を伝える実直さ・力強さ・優しさ」が表現されたと思います。そして最も大切なこと、「音楽の楽しさ」が今回ストレートに伝わって来ました。
最後に
第2部ではパーカッションに合わせて皆がリズムをとり、音楽を楽しみ、自然に笑顔になって行きました。もちろん岡本氏も笑顔が絶えませんでした。本当に音楽は人々を結びつける魔法ですね! 今後も岡本氏の企画・演出に目が離せません。
当日パーカッションで波音や風の音、小鳥のさえずりを表現した曲(原曲)
(補足)
この記事を読んで頂いた岡本氏からメッセージが届きました。
「今回の演出、内容、機材調達、機材やCDの運搬搬入など、当日のステージ上で起こることに関しては全て自分で提案して実行しました。やや冒険ではありましたが、昔からやりたかったことなので実現できてよかったと思っています」
今回の企画等は全てご自身で実行されたのですね。本当に素晴らしいです。