最近、セルジオ・アサド編のピアソラ作曲「ブエノスアイレスの冬」を練習していました。
弾き込んでいるうちに、その編曲の妙に魅了され、もっとアサドに関する楽曲を調べたくなり、「youTube」で検索することにしました。
しばらく検索を続けていると、突然、アサド作曲の「Sandy's Portrait」を演奏している日本人ギタリストに釘付け…。日本人離れした演奏力(技術・構成力)に圧倒され魅了されて仕舞いました。
その名前は『岡本拓也』、一体どんな人物なのか……
岡本拓也のプロフィール
- 千葉県浦安市出身(28歳か) 10歳よりギターを始める。
- 2009年 GLC全国学生ギターコンクール、ジュニアギターコンクール、クラシカルギターコンクール全てに於いて最優秀賞受賞。
- 2010年 ヤマハ音楽奨学生、第9回千葉市芸術文化新人賞受賞。日本テレビ「世界まる見え!テレビ特捜部」などにも出演。東京国際ギターコンクール第2位。またニューフィルハーモニーオーケストラ千葉との「アランフェス協奏曲」共演にてソリストを務めている。
- 2011年 NHK「首都圏ネットワーク・きらりこの人」に出演。
- 2016年から2017年にかけてオーストリア、ドイツ、チェコでの5つのコンクールいずれにおいても第1位もしくは第2位を受賞する。
- 2018年 浜松市文化振興財団主催のアクト・ニューアーティストシリーズに出演し、6月には今日世界最高峰レベルのスペイン・アルハンブラ国際ギターコンクールにて日本人として初のファイナリスト入りを果たし、第2位を受賞。
- ウィーン国立音楽大学にてアルバロ・ピエッリ各氏に師事。2018年11月、同大学ギター演奏科修士課程を満場一致の最優秀成績で修了。
- 2019年1月にはファーストアルバム「7つの指輪~Sete Aneis~」をリリースし、レコード芸術特選盤に選定される。
以上、ホームページより
演奏の魅力
これから述べることは、あくまでも私個人的考え方なので、そのことを踏まえた上でお読み下さい。
世の中に、才能のある演奏家はたくさん居ます。クラシックギターの世界でもそうです。
その中でキラリと輝き、何度でも演奏会に行きたい、何回でも繰り返しCDを聞きたいと思う演奏家は限られます。
おそらく【真に才能のある演奏家】とは
「天性の直観力(=瞬間のひらめき)」と「音楽理論に裏付けされた知性」の両方を持ち合わせた演奏家ではないでしょうか。
そして、「知性的な練習」を積み重ねてきた演奏家の奏でる音こそが、聞くものの心を魅了すると思います。
岡本さんの演奏には、そんな<知性的な気品>を感じるため、私はドキッとしました。
「リズム」「強弱」「アーティキュレーション(=音楽の流れ)」「テンポ」「音色」
5つの『演奏の構成要素』をしっかり感じ取ることが出来たので、何度でも聞きたくなるのです。
おそらく、「ウイーン国立音楽大学」の修士課程を経験したことで、音楽は劇的にステップアップした気がします。
8/19のソロコンサート
平日でしたが夏休みを取り、千葉市美浜文化ホールで開催されるソロコンサートに行ってきました。
やはり実力は裏切りません。コロナ禍でも「完売」でした。
今回のコンサートのテーマは「祈り」
バロック期、古典派、ロマン派、現代曲まで幅広い曲目を披露。
落着きがあり、<知性的な気品>を存分に感じさせる素晴らしい演奏でした。
とくにバッハは原曲の調で演奏され、ギターではかなり厳しい運指ですが、難なく演奏する姿には感服しましたね。
MCで素朴で温和な人柄を感じとることが出来たことも収穫でした。
最後に
久々に野鳥観察記事以外の記事をアップしました。
それだけインパクトのあるクラシックギタリストの出現でした。
まだまだ認知度は低いですが、大いに期待していますし、応援していきたいと思います。
なお一曲だけ、演奏曲をご紹介したいと思います。素敵な演奏ですよ。