友人や目上の人から言葉では無い。
昨日観た映画からのメッセージだ。
アニメ映画、そして戦争もの、いつもなら当然見向きもしないジャンルであるが、今回はなぜか胸騒ぎがして、封切り後誰かに背中を押されるように先月劇場に足を運んだ。
胸騒ぎのわけは、この映画のファンなら知っていると思うが、「クラウドファンディング」という手法で資金集めを企画をし、その趣旨に賛同した企業や個人が出資、応援し上映に漕ぎ着けたことに非常に関心があったからだ。
鑑賞後、感動や涙や笑いや悲しみではない”言葉にできない感情”が沸き起こり、なんとも宙ぶらりんな思いが残った。
そして、この不安定な気持ちを整理し言葉にするため、昨日再度劇場に向かった。
真っすぐで誠実な映画だった。
作品の詳しいあらすじや評価は他の記事やブログに譲るとして
主人公”すず”の明るく前向きな生き方の中で
- 「等身大で背伸びしない」
- 「正直で嘘がない」
- 「ちょっと天然」
- 「家族思い」 なところが、見る側のこころをワシ掴みする。
また、声優のん(能年玲奈)の演技も作品の出来に大きい影響を与えている。等身大のすずを生き生きと表現している。
すずを通して、「ふつうの女性」が「ふつうの生活」を送り、「ふつうの幸せ」を感じることの尊さを再認識する。
「ちょっと天然」でも、すずのうその無い心意気が周囲を安心させる。
困った顔しても悩んでも「あなたの居場所はあるんだよ」と家族は優しく応える。
これで宙ぶらりんな気持ちがソフトランディングした。
この映画を観た後
半年前の事件をいや応なしに思い出した。
職場で一緒に仕事をしていた年下の相棒が尊い命を絶ってしまった。
いつも仕事のこと、家族のことを聞いていた。彼はよく小学校の息子のことを嬉しそうに話してくれた。
仕事は良く出来た。でも反面、家庭に「居場所」が無かった。
精神的に引き返すことの出来ない所まで追い込まれていたようだ。悔しいがそこまで踏み込むことが出来なかった。
「ふつうの生活」をし、「ふつうの幸せ」を家族みなで探していれば、こんな事にはならなかった気がする。
「昨年、この映画が上演されていれば」と思いながら今年も終わる。