今回は前回の予告通り、番外編<生死を賭した小動物たちの静かな戦い>を掲載したいと思います。
見る人によっては、残酷に映るかもしれませんので、ご容赦願います。
水場で野鳥観察し始めると、カラカラカラと乾いた音がして来ました。
てっきり、キツツキの仲間がドラミングしているのかと錯覚しました。
しかし、その正体は「モリアオガエル」の鳴き声でした。
県によっては絶滅危惧種に分類されているこのカエルは、5月になると繁殖を始め、枝に白い泡袋をぶら下げます。 しばらくすると、その中でオタマジャクシが生まれ、大きくなると水場に落ち帰ることになります。
オスが生殖のため、メスに忍び寄ってきます。
そして、生殖ポーズに入ろうとしますが……
残念ながら逃げられて、精神的なショックで水場に滑り落ちそうになりました(笑)
その滑稽な恰好を楽しんでいると、この水場の主である「ヤマカガシ」がスッと現れ、水場を横切って行きました。
全長50㎝ほどで細長く、「ハブの約10倍、マムシの約3倍」の毒を持っているとは全く想像出来ませんでした。
水場にいたモリアオガエルにそっと近づき、一瞬で毒牙にかけました。
毒が効き始めたのか、カエルは抵抗する場面が少なくなりました。
圧巻は、ヤマカガシがこの小さな体で、モリアオガエルの全身を持ち上げたシーンです。この一撃でモリアオガエルは完全に戦意喪失になりました。
ヤマカガシは習性として、獲物を足の方から食べるそうです。
双方の顔がこちらを向いてるこのシーンは、弱肉強食の自然界での「諦観」を突きつけているようで、胸が苦しくなりました。
そして草むらの中に消えていきました……
とてもショッキングな瞬間を目の当たりにして、しばらくは息苦しさが続きました。
こういう体験をした場合、どうすればいいのか?
自然界では当たり前のように日々繰り返されている「営み」ですが、なぜか心穏やかではありません。
自然の大きな摂理の前では、人間はただただ無力であることを理解しなげればならないのでしょうね……