週末に《スター・ウォーズ/ローグ・ワン》を観た。
《スター・ウォーズ》のスピンオフ作品のためどうしようかと思ったが、評判も良く3連休で暇だったので、鑑賞後の夕食を兼ねて妻と出掛けた。
内容は従来通りの戦争活劇で、後半からスター・ウォーズらしく面白くなり、最後のシーンにはさすがにビックリした。
でも一番気になったのが、座頭市みたいな反乱軍の僧侶が「フォースと共にあらんことを!」と幾度も叫ぶところだった。
実は、お昼に聞いたラジオ放送のある言葉が重なったからだ。
定期的に参加しているプチコンサートの演奏が午前中に終わった。”なんで上手く弾けないんだろうか”とむしゃくちゃした気持ちを引き摺りつつ、帰宅中、車のラジオをONにした。
そうしたら、なんだか面白い話が耳に入り込んできた。
「何となく皮膚感覚では解っているが」あまりに日常的なことで深く考えることも無い、今更ながらの内容だった。
ずばり「氣」の話
話し手は、とある合氣道会の2代目会長。東工大出身で慶應大学の非常勤講師。
この合氣道会の基本的教えは「相手の事をよく理解した上で相手を投げる」とのことだ。その時「氣」の力が大切になるらしい。
その会長の話と自分で整理した考えをまとめると以下の通りになる。
「氣」とは(いろんな考え方はあるが)
- ビックバンで宇宙が誕生した以降、宇宙に溢れるエネルギーはさまざまな星や生命を生み出している。従って、すべての物質・生命には「氣」(=エネルギー)がある。
- 目に見えないもの、掴みどころのないもの、あやしいのもと思われ勝ちだが、人間だれもが持っている生命エネルギーの事である。 と定義しておく。
「気」を使った言葉は無数にある。
- 「元気」「雰囲気」「やる気」「気が合う」「気が進む」等々 日常生活にピタッと寄り添っている。
「氣が通っていること」が日常生活を快適に送る上で極めて大切なこと、何故か。
1.体の隅々まで”氣が通っている”かどうかは、「姿勢」でよく分かる。
2.具体的に検証すると
- 「気を付け」の直立姿勢は、他人が肩にちょっと触れただけでぐらつく。
- 「力を抜いてつま先立ちをし、静かに踵を下ろす」と、全くぶれない。
3.要するに
- 「気を付け」は”力み”のある誤った姿勢で、気が滞っている状態になっている。
- 「つま先立ち」は芯の通った姿勢で、気が通った状態である。
4.日常生活を快適に送るポイント
- 気が満ちている時は足先から気が通っている。しかし、現代人は踵立ちが多いため、様々な不調を訴える者が多い。 よって正しい姿勢が必要だ。
プロ野球の世界では
日本のプロ野球は古くから「氣」を練習に取り入れていた。
実は、王選手は若い頃、名伯楽「荒川コーチ」に連れられて先代の道場に通い、「一本足打法」を確立した。「氣」取り入れた練習方法は引退するまで続けられた。「氣」の通った「一本足打法」は、揺らしても全くびくともしなかった事は良く知られたことだ。
メジャーリーグでも同様だ。
本会長の指導のもと「ドジャーズ」が2010年から「氣のトレーニング」を組み入れている。トッププロスペクトを言われる若手有望選手の練習にも活かされている。「パドレス」でも2015年から採用された。
トレーニングの際、例えばバットの先端まで氣が通うことが大切だ。なお、筆先まで気を通わせるため道場に通う画家や書家も居るのも、同様の考えからだ。
トレーニングのポイントは次の2つ
- 正しい「姿勢」を保つ。
- 「下腹に意識を持ち、心静かにする」こと。
何かの拍子で「氣」が上がってくると動作が乱れる。「頭に来る」「あがる」などの状況に陥る。
従って、氣トレーニングを積むことで、長いシーズンを通じて、緊張する場面でもコンスタントな成果を上げることが出来る。メジャーリーグ2球団がこのトレーニングを継続採用している事がその査証だ。
人間関係の円滑化にも役立つ
相手や周囲の人々と関係は、「氣」が滞ると不具合が生じる。
- 「気の合わない」人には苦手意識があり避けることが多いため、なおさら「氣」が滞る。 そんな時心がけることは簡単な事だ。
- 「自分から挨拶する」。無視されても気にせずやり続ける。相手の「無意識」に働きかけ、いずれ気が通うようになる。
気力のある元気な毎日を送るには
忙しい時は「気が張っている」が、例えば正月はホットして調子を悪くする事が多い。
「出来事の終わりは次の出来事の始まり」であり、「ここでとりあえずお仕舞い」と思うと気が途切れる。
よって「ちょっと気を使い、切れ目をなくす」ことを意識する。そんな負担のある事ではない。ただ意識しすればいいだけの話。 例えば、 定年退職で具合が悪くなるのは気の問題なのだ。
それから、氣(気力)が衰えるのは年齢に関係ない。気力の無い若者はよく見かけるし、気力の充実した壮年も多い。
では気力を通わせ、満たすためにはどうすれば良いか。
「呼吸法」が大切である。
- バランスの取れた姿勢で「あ」の口型を作り、まず「はぁー」と大きく息を吐く。
- 「吐くに任せる」呼吸はだんだんと静まる。その感覚を感じとる。
- そのあと「鼻先から何か香りを嗅ぐように息を吸う」
それだけでいいのだ。
最後に
スターウォーズの「フォース」は調べると、「銀河の万物を含んだエネルギー体」で、「予知能力」「触れずに物を動かす力」や「心を読み取る力」等を表す言葉であることが分かった。
という事は「氣」とは似て非なるエネルギーだ。やっとラジオ放送の引っかかりが解消された。
正しい「姿勢」と「下腹に意識を持ち、心静かにする」こと、そして「呼吸法」を意識することだけで、これからも気が満ち溢れ、充実した毎日が送れると気付いただけで、ちょっと得した気がした。